【吉祥寺更年期障害鍼灸】ホットフラッシュ、イライラ、不眠にお悩みの方へ

2025.12.07

「急に顔や体がカッと熱くなる（ホットフラッシュ）」「理由もなくイライラしたり、不安になったりする」「夜中に何度も目が覚めて熟睡できない」。これらの症状は、更年期に差し掛かった女性の多くが経験する更年期障害のサインかもしれません。更年期とは、閉経（平均50歳頃）を挟んだ前後約10年間を指し、この期間は卵巣機能の低下に伴い、女性ホルモン（エストロゲン）が急激に減少します。このホルモンの変化に体が慣れる過程で、自律神経のバランスが乱れ、多岐にわたる心身の不調が現れます。婦人科でのホルモン補充療法（HRT）が有効ですが、抵抗がある方や、HRTだけでは改善しない症状に悩む方も少なくありません。

この記事では、更年期障害の主な症状と原因、そして、乱れた自律神経とホルモンバランスを整え、つらい症状を緩和するサポートに鍼灸がどのように役立つのかをご紹介します。吉祥寺にある当院の鍼灸は、現代医学的な治療を前提に、症状の緩和、体質改善、そして更年期を快適に乗り切る心身の安定を目指します。

更年期障害の主な症状と原因は？東洋医学で捉える「陰陽の乱れ」

更年期障害の症状は多岐にわたりますが、東洋医学では、それを「腎（じん）」の衰えと「陰陽（いんよう）」のバランスの乱れとして捉えます。

更年期障害の主な症状と影響

分類	主な症状
・血管運動神経症状	ホットフラッシュ（のぼせ、ほてり）、異常発汗、冷え、動悸
・精神神経症状	イライラ、不安感、抑うつ、記憶力・集中力の低下、不眠
・運動器症状	肩こり、腰痛、関節痛、腱鞘炎、ドライマウス・ドライアイ
・その他の症状	疲労感、頭痛、めまい、皮膚の乾燥、性交痛

東洋医学から見た「更年期」と体質

体質分類	主な症状	不調が起こる理由
・腎陰虚（じんいんきょ）	ホットフラッシュ、寝汗、手のひらのほてり、ドライアイ、めまい。	「腎」の衰えにより、体を潤し冷やす「陰（いん）」が不足し、相対的に「陽（熱）」が強くなる（のぼせ）。
・肝気鬱結（かんきうっけつ）	イライラ、怒りっぽい、胸や脇の張り、不安感。	ホルモンの変動とストレスにより、「肝」の司る気の巡りが滞り、精神的な緊張が高まる。
・心腎不交（しんじんふこう）	不眠、動悸、不安、疲労感。	「腎」の機能低下により、「心」を冷ます力が衰え、脳の興奮が鎮まらない状態。

このように、更年期障害の症状は、女性ホルモンの減少というベースに加え、「潤い不足による熱の発生」と「ストレスによる気の滞り」が複合的に影響し合っていると考え、体質に合わせたアプローチが必要です。

【吉祥寺更年期障害鍼灸】がつらい症状にアプローチできる理由と目的

更年期障害に対する鍼灸治療は、自律神経の中枢と全身の血流に働きかけることで、つらい症状の緩和を目指します。

当院の施術：「自律神経の中枢」と「ほてりの緩和」へのアプローチ

当院の施術では、以下の3つの柱で更年期症状の改善を目指します。

自律神経の中枢（脳）へのアプローチ:鍼刺激は、脳（視床下部）の働きを調整する自律神経に作用し、体温調節や感情を司る機能の乱れを整えます。特に、首や頭部のツボ、背中の自律神経節（神経が集まる部分）周辺にアプローチします。
「腎陰」を補い、ほてりを鎮める:「腎陰虚」によるホットフラッシュや寝汗などの熱症状に対して、「腎」を補い体を潤す「陰」のツボ（太谿、三陰交など）を使用します。手足の末端の血流を改善し、のぼせた熱を足元に誘導（頭寒足熱）することで、ほてりを緩和します。
ストレス・イライラの緩和:「肝」の気の巡りを整えるツボ（太衝など）を使い、イライラや不安感を軽減し、精神的な安定を図ります。鍼灸の高いリラックス効果は、不眠の改善にも直結します。

💡 【鍼灸治療の症例】

症例 1：ホットフラッシュと不眠を伴う更年期症状の改善ケース

・患者様: 50代女性（閉経後1年）
・主訴: 1日に何度も起こる激しいホットフラッシュと、寝汗による不眠。倦怠感が強く、日常生活に支障が出ている。
・症状の経過: 閉経を機に症状が悪化。婦人科でHRTを勧められたが抵抗があり、鍼灸を選択。東洋医学では「腎陰虚」が主因。
・鍼灸アプローチ: 首から背中にかけての自律神経の乱れを調整しつつ、足の「腎」のツボに鍼とお灸で「陰」を補う治療を実施。特に手のひらのほてり（熱）を足元に誘導する治療に重点を置いた。
・治療経過と結果: 5回目の施術後からホットフラッシュの回数と強度が軽減し始め、夜間の寝汗が消失。睡眠薬なしで朝まで眠れる日が増加した。治療開始から3ヶ月で、症状が発症前の状態まで安定し、意欲も回復した。

症例 2：イライラと抑うつ感を伴う精神神経症状の改善ケース

・患者様: 40代後半女性（プレ更年期）
・主訴: 生理前の激しいイライラ（PMS）から始まり、常に不安感や軽い抑うつ状態が続く。家族に当たってしまうことに自己嫌悪を感じる。
・症状の経過: 閉経前だが生理周期が乱れ始め、精神的な症状が顕著に。東洋医学では「肝気鬱結」（気の滞り）による症状。
・鍼灸アプローチ: 「肝」の気を巡らせるツボ（太衝、期門など）にアプローチし、精神的な緊張と筋肉の硬さを緩和。頭部への鍼で脳のリラックスを促す施術を併用した。腹部と仙骨部を温め、全身の血流改善を図った。
・治療経過と結果: 3回目の施術後、イライラの波が穏やかになり、不安感が軽減。本人だけでなく家族からも「雰囲気が明るくなった」と評価された。治療を通じて心身が安定し、現在も月2回のペースでストレスケアとして継続している。

自宅でできる！「更年期を穏やかに」乗り切るためのセルフケア

鍼灸院での治療と合わせて、ご自宅でもできるセルフケアを取り入れることで、更年期症状の緩和をサポートできます。

・「頭寒足熱」の徹底:頭部を冷やし、足元を温めることが、ホットフラッシュや不眠の緩和に有効です。足湯や靴下、腹巻で下半身を温め、首元や頭部は冷やしすぎない程度に開放しましょう。
・軽い有酸素運動と日光浴:ウォーキングやヨガなどの軽い運動は、自律神経の調整と骨盤内血流の改善に役立ちます。また、日光浴はセロトニン（幸福ホルモン）の分泌を促し、精神症状の緩和に繋がります。
・簡単なツボ押し:以下のツボを優しく押したり、温めたりするのも効果的です。
- 　　　・三陰交（さんいんこう）:内くるぶしから指4本分上の骨の際。女性ホルモンに関わるツボで、冷えと生理の乱れに有効です。
- 　　　・太谿（たいけい）:内くるぶしとアキレス腱の間。「腎」の働きを補い、ほてりや寝汗（陰虚）の緩和に役立ちます。
- 　　　・百会（ひゃくえ）:頭頂部の真ん中。自律神経の安定と頭部の熱を下げるのに役立ちます。