【吉祥寺背中の痛み鍼灸】肩甲骨の内側や背中全体に広がる慢性的な凝り、不調でお悩みの方へ

2025.11.29

「朝起きると背中が張って重い」「デスクワーク中に肩甲骨の内側がズキズキ痛む」「深呼吸すると背中に違和感や張りを感じる」。このような症状は、多くの方が悩まされる「背中の痛み」です。背中の痛みは、単なる筋肉疲労（筋・筋膜性疼痛）だけでなく、姿勢の悪化（猫背、巻き肩）による僧帽筋や菱形筋の過度な緊張、内臓疲労や自律神経の乱れが原因で起こることがあります。特に、長時間の同一姿勢や精神的なストレスは、背骨周りの深部筋（インナーマッスル）を硬くし、血流を悪化させ、痛みを慢性化させます。また、胃腸や心臓など内臓の不調が、背中の特定の部位に痛みとして現れる（関連痛）ことも少なくありません。

この記事では、背中の痛みの主な原因と、そして、深部の緊張を緩和し、自律神経を調整するサポートに鍼灸がどのように役立つのかをご紹介します。吉祥寺にある当院の鍼灸は、医療機関での診断を前提に、患部の痛みと凝りの緩和、体幹深部筋の機能改善、そして全身のバランス調整を目指します。

あなたの不調はどのタイプ？背中の痛みの主な原因

背中の痛みは、その部位や性質によって原因を推定することができます。

背中の痛みの主な原因と特徴

原因	主な痛みの部位と性質	関連する症状
・筋・筋膜性疼痛	肩甲骨の内側、背中全体。重だるさ、強い凝り。	姿勢を変えると楽になる。特定の動作で痛む。
・姿勢不良（猫背・巻き肩）	背中上部、首の付け根。張りが強く、慢性化しやすい。	首の痛み、頭痛、ストレートネック。
・自律神経の乱れ・ストレス	背中全体、特に背骨沿い。ズキズキ、焼けるような痛み。	不眠、不安、胃腸の不調、疲労感。
・内臓の関連痛	右背中（肝臓、胆のう）、左背中（胃、膵臓）。鋭い痛みが続く。	発熱、吐き気、食欲不振（医療機関での緊急受診が必要）。
・脊柱の問題	背骨の中央や下部。動作時の激しい痛み。	腰痛、椎間板ヘルニア、圧迫骨折（医療機関での診断が必須）。

重要な注意点：必ず医療機関を受診してください

背中の痛みが安静時にも続く激しい痛みである場合、発熱や吐き気、血尿など内臓の症状を伴う場合は、内臓疾患（心筋梗塞、腎盂炎、胆石症など）の可能性も否定できません。自己判断せずに、症状を自覚したら速やかに内科や整形外科などの医療機関を受診し、適切な診断を受けることが必須です。

吉祥寺にある当院の鍼灸治療は、医療機関での診断と治療を前提としたものであり、主に筋肉や自律神経由来の症状緩和、血流改善、体質改善をサポートを目的としています。

なぜ「背中の痛み」が起こるのか？東洋医学から見た問題

背中の痛みは筋肉の緊張が原因ですが、東洋医学ではその背景に「五臓の疲労」や「冷え」が関わっていると考えます。

東洋医学から見た「背中の痛み」と体質

東洋医学では、背中を「背は陽なり」といい、体の陽気（エネルギー）が集まる重要な場所と考えます。背骨の両脇には、五臓六腑に関わる「兪穴（ゆけつ）」というツボが並んでおり、背中の痛みはこれらの臓腑の疲労や不調と密接に関わります。

・肝（かん）の疲労と筋緊張:ストレスや目の使いすぎは、「肝」を疲弊させます。「肝」は「筋」を司るため、その機能が低下すると、背中の筋肉（特に肩甲骨周りの菱形筋など）が異常に硬直し、痛みを引き起こします。
・心（しん）の不調と自律神経:不眠や不安は「心」に負担をかけ、交感神経を過緊張させます。背中の筋肉、特に背骨沿いの深部筋は自律神経の影響を受けやすく、緊張が持続することで慢性的な痛みに繋がります。
・冷え（寒邪）の侵入と血流停滞:背中が冷える（寒邪の侵入）と、血流（気血の巡り）が停滞し（瘀血）、痛みが増悪します。特に慢性的な背中の痛みは、この「気血の停滞」が背景にあることが多いです。

このように、背中の痛みを「局所の筋肉の問題」だけでなく、「五臓六腑の疲労、自律神経の乱れ、そして冷えによる血流不良」として捉え、総合的な体質改善を目指します。

【吉祥寺背中の痛み鍼灸】がつらい症状にアプローチできる理由と目的

背中の痛みに対する鍼灸治療は、現代医療の診断・治療を補完する形で行われます。鍼灸は主に、深部の凝りの緩和、自律神経の安定化、そして全身の疲労回復を目的としています。

当院の施術：「深部筋への正確なアプローチ」と「兪穴による体質調整」

当院の施術では、以下の流れで背中の痛みにアプローチします。

痛みの原因筋への深部アプローチ:痛みの原因となっている菱形筋、脊柱起立筋群、最深部の多裂筋など、手技では届きにくい深部の筋肉に対し、鍼刺激を施し、過剰な緊張を徹底的に緩めます。これにより、血流を強力に促進し、痛みの物質を流し去ります。
鍼通電療法（パルス療法）による鎮痛と血流改善:症状の強い部位や、背中の痛みの関連ツボに微弱な電流を流す鍼通電療法（パルス療法）を併用し、痛みを鎮静させながら、硬くなった筋肉の柔軟性を取り戻します。
「兪穴（ゆけつ）」を用いた全身調整（本治法）:背中の背骨沿いにある「心兪」「肝兪」「脾兪」など、内臓の不調や自律神経の状態を反映するツボ（兪穴）にアプローチし、全身の疲労や内臓の調整を行います。これにより、ストレス由来の背中の緊張や、内臓の関連痛を間接的に緩和します。

💡 【鍼灸治療の症例】

症例 1：慢性的な肩甲骨内側の凝りと痛みの改善ケース

・患者様: 30代女性（長時間デスクワーク）
・主訴: 慢性的な肩甲骨の内側（菱形筋あたり）のズキズキとした痛みと背中全体の重だるさ。週に3回以上マッサージを受けるがすぐに戻ってしまう。
・症状の経過: 5年以上前から慢性化しており、特に仕事で集中した後や、冷房で冷えた際に悪化する。
・鍼灸アプローチ: 痛みの原因である菱形筋と脊柱起立筋の深部に対し、集中的に鍼治療を実施。鍼通電療法で筋肉の血流を改善し、緊張を緩和。東洋医学的には「冷えによる気血の停滞」と捉え、背部と足のツボにお灸を併用し、体内の冷えを取り除く調整を行った。
・治療経過と結果: 初回の治療後、背中の重さが軽減。週1回の治療を8回継続したところ、ズキズキとした痛みが消失し、マッサージなしで快適に過ごせるように。現在は月1回のメンテナンスで再発予防を図っている。

症例 2：ストレスと自律神経の乱れによる背中全体の張り改善ケース

・患者様: 40代男性（管理職、不眠傾向あり）
・主訴: 背中全体に広がる原因不明の強い張りと焼けるような違和感。特にストレスが強い時期や、夜間に不眠が続くと症状が悪化する。
・症状の経過: 健診で異常なし。精神的なストレスが続いた半年前に発症。背中の張りが強く、深い呼吸がしづらい。
・鍼灸アプローチ: 背骨沿いの自律神経に関わるツボ（兪穴）に極めて浅く鍼刺激を行い、交感神経の過緊張を緩和。胸郭の動きを改善するため、肋間筋などにもアプローチ。東洋医学的には「肝気鬱結」（ストレスによる気の滞り）と捉え、手足のツボで気の巡りを整え、リラックス効果を高めた。
・治療経過と結果: 3回目の施術後から睡眠の質が向上し、背中の張り感が和らぎ始めた。週1回の治療を10回継続したところ、背中の焼けるような痛みがほぼ消失。深い呼吸もスムーズにできるようになり、症状の改善とともにストレス耐性も向上した。

自宅でできる！「背中の痛み」のセルフケアとおすすめツボ押し

鍼灸院での治療と合わせて、ご自宅でもできるセルフケアを取り入れることで、症状の悪化を防ぎ、回復をサポートできます。

・姿勢の意識とストレッチ:長時間のデスクワークでは、背筋を伸ばし、肩甲骨を寄せることを意識しましょう。休憩時には、胸を開くストレッチ（背中で手を組み、腕を伸ばす）を行い、胸椎の柔軟性を保ちましょう。
・背中と肩甲骨周りの温め:冷えは背中の痛みを悪化させるため、ホットパックや蒸しタオル、あるいは入浴で背中全体を温め、血流を改善しましょう。
・簡単なツボ押し:以下のツボを優しく押したり、温めたりするのも効果的です。
- 　　　・膏肓（こうこう）:肩甲骨の内側、背骨から指幅4本分外側の高さ。慢性的な背中の凝りに効果的です。（自分で押すのは難しいですが、温めると良いです）
- 　　　・天宗（てんそう）:肩甲骨の中央のくぼみ。肩甲骨周りの凝りを緩めます。
- 　　　・合谷（ごうこく）:手の甲、親指と人差し指の骨が交わる付け根。全身の血流を促進し、鎮痛に役立ちます。

❓ よくある質問（FAQ）

Q1. 背中の痛みが強いとき、湿布と温めるケア、どちらが良いですか？

A. 痛みの性質によって異なります。

・急性期（急に起こった激しい痛み、熱感がある）：炎症が強い可能性があるため、湿布（冷却作用）で冷やす方が適しています。
・慢性期（常に重だるい、凝りが強い、冷えると悪化する）：血流の悪さが原因であるため、温めるケア（ホットパック、入浴）で血行を促す方が適しています。

・鍼灸治療では、慢性的な凝りによる痛みの場合は、温めと血流改善を組み合わせたアプローチを行います。

Q2. 鍼で背中の深部筋を治療すると、内臓に影響はありませんか？

A. 適切な技術を持つ鍼灸師が行う限り、内臓に悪影響を与えることはありません。

・当院の鍼灸師は、解剖学に基づいた安全な深さで施術を行います。
・背中の深部筋へのアプローチは、長年の姿勢不良で硬くなったインナーマッスルを緩め、体幹の安定性を高めるために非常に有効です。
・また、東洋医学でいう「兪穴」への刺激は、内臓そのものに影響を与えるのではなく、内臓の疲労を和らげる目的で行います。

Q3. 背中の痛みが続く場合、どんな姿勢に気を付ければいいですか？

A. 以下の点に注意することで、背中への負担を減らせます。

・デスクワーク: PC画面の高さを目の高さに合わせ、背中が丸まらないように意識する。肘が90度になるよう机と椅子の高さを調整し、30分に一度は立ち上がって体を動かしましょう。
・睡眠時: 横向きで寝る場合は、背骨が一直線になるよう枕の高さを調整し、抱き枕を使うと背中の負担が軽減されます。
・重いものを持つとき: 体の近くに引き寄せて持ち、背中を丸めずに膝を使うことを意識しましょう。